マガジンサミットにインタビュー記事が掲載されました
「美容を通じて女性を輝かせたい」エステスクール運営に夢をのせて
2011年にエステサロン「プロビアンコ」を開業した白崎順子社長。自身の病をきっかけに出合った東洋医学を組み合わせたカウンセリングとメニューが好評で、予約困難なサロンに成長させた。その経験を活かし、エステティシャン向けのスクール運営にも力を入れている思いを聞いた。
一度は断念した美容の世界で見つけた希望
20代前半の2年半ほど、念願だった美容師の職に就いていましたが、顔の半分が動かなくなる顔面麻痺を患ってしまいました。休職して、仕事も夢も結婚も諦めないといけないのかなと思っていたなかで、治療の一環として鍼灸やエステサロンに出かけました。
そこで鍼灸の先生から人間の体が不調になるまでには必ずプロセスがあるという東洋医学の考えを教えてもらいました。また、エステサロンでは心の状態を聞いてもらいながらマッサージしていただく空間がとても好きだと感じました。
その効果があったのか、治癒しまして、エステ業界に転職して美容のことをもっと勉強したいと思うように。専門学校を卒業し、エステサロンに勤めながら独学で東洋医学の勉強を続けていたのですが、その2つをコラボレーションさせることを思い付き、自分で形にしたいと30歳のときに起業しました。
ただ、初めは売り上げを作らなきゃいけないと、割引きしてリピーターになっていただくなど、“安売り”のサロンになっていました。予約がただ埋まっていることが自分のメンタルの安定剤になっていたんです。けれども、それは自分のやりたいことではなく、大好きで始めたこの仕事が、嫌いになる手前までいってしまいました。
そんなとき、東洋医学のカウンセリングに重きを置くようにしたんです。東洋医学には引き出しがいっぱいあるので、お客様に寄り添ったカウンセリングができます。これまで5分、10分だったカウンセリングを、長いと1時間、平均で30分~40分かけるようにしました。すると、私の中でも変化があったのと同時に、お客様の満足度も上がり、自然と大切な方をご紹介してくださるという、お店の流れがガラッと変わったんです。
現役のエステティシャンだからこその強み
体の悩みだけでなく、心の改善もできたとおっしゃってくださる方もいて、美容的な結果が出ることもうれしいのですが、その人自身のメンタルの部分をちょっとでもお手伝いできるのが、私の中ではすごくやりがいに感じています。
そんなこれまでの経験を伝えることができたらと、エステティシャンのスクールを始めました。2つコースがあり、リフトアップ効果などフェイシャル技術をお伝えすることと、東洋医学を取り入れたカウンセリングスキルやツボなどのマッサージ技術をお教えするものがあります。
起業したエステティシャンは個人事業主となるので、孤独です。当初、私もコンサルタントさんに相談したこともありますが、エステティシャンとしての悩みを分かってもらえなかったり、アドバイスにギャップがあったりしました。
私がお教えするのは、現役でエステティシャンであることが強みです。技術者同士で“共通言語”のようなものがあるので、やったことがない人に言われるよりも理解できることがあります。自分が体験してきたからこそ言えること、また現役で結果を出し続けているから言えることがあると自負しています。
“共感”も大事にしています。サロンのお客様に対しても、体や心の悩みに対する問題には、共感があって、改善があると思っています。そしてスクールでも、受講者さんの願うエステティシャンとしてのあり方、エステを通じて何を表現したいかなど、きちんと共感させていただいた上で、アドバイスします。
人生そのものをお手伝いし、輝くものに
スクールで学ばれた方からは、自分の仕事が楽しくなったと言われることも多いです。私も経験しましたが、エステ業界に勤めていると、ノルマがあったりします。それはお客様にも自分の心にも嘘をつかなければなりません。嘘のないビジネスをすることにより、メンタルがまず整うので、仕事が楽しいことにつながり、楽しいことをやっていると、そこに人はたくさん集まってくるのだと思います。
私の願いは、「美容を通じて女性を輝かせたい」ということ。お客様というより、その方の人生そのものをお手伝いできればと。けれども、私一人では施術できる人数に限界があります。私の考え方や技術を学びたいという方が増えてくだされば、その先にお客様の健康につながると思いますので、スクールの認知度を高めていきたいです。